株式会社大水 recruit

ENTRY

プロジェクト
ストーリー01

地域特産の良質なアジを加工、製品化し、新市場を開拓

冷凍の塩サバや塩サンマなどの仕入れや販売を行う塩冷部では、冷凍魚を原料とした新たな商品開発に努めてきた。漁獲量の減少が進む今、鮮魚の供給を補う要として冷凍部門への期待が高まる中で、売れ行きが低迷していた新商品の戦略を作り変え、新たな一手となる地域特産物に着目。部署としては初となる惣菜市場の参入を果たした。より良い原料を使った「アジの開き」の開発に乗り出し、付加価値のある商品づくりに挑戦した。

CHAPTER 01鮮度と品質にこだわった
地域特産物の開発に挑戦

鮮魚などを中心に扱ってきた大水では、漁獲量の減少が続く今、その供給量を補う手立てとして、冷凍魚を原料とした商品開発に取り組んできた。その取り組みの要となる冷凍部では、商品開発により新たな可能性を切り拓くため、長崎県松浦の特産物であった「アジ」に着目した。これまで同社で加工したことがない冷凍魚だったが、水揚げ量も多く地元では知られた商品であったことから、全国の量販店をターゲットに開発をスタート。加工に必要なレシピの開発からアジの開きに加工するメーカーのリサーチ、商品の輸送や管理の方法まで、手探り状態の業務が続く中、特に困難を極めたのが、加工方法の確立だった。幾度となく試行錯誤を重ねても理想の加工を実現できない。その時、課題を突破する大きな足がかりとなったのが、とある加工メーカーによる協力だった。私が悪戦苦闘する姿に共感したメーカーが、自社で蓄積したアジの開きの加工方法を提供してくれたことがヒントとなり、味わいや色持ち、素材そのものが持つおいしさを引き立てる商品づくりに成功。プロジェクトに参画した私も、この商品に自信を持ち、量販店への販売に踏み切った。

CHAPTER 02激しい競争の中でも
揺るがなかった価値 ―
その先に見えた突破口

大水としては初となる自社の原料であるアジの開きは、品質も味わいも想定通りに仕上がった一押しの商品として売り出したが、思いの外、売れ行きを伸ばすことができなかった。最も大きな原因となったのが、大水と同様に漁獲量が安定しているアジに目を付け、他社も同様の商品を供給していたことが挙げられる。これにより、価格競争にさらされてしまい品質や味には自信を持っていたが、思うような成果に繋げることができなかった。日を追うごとに、管理費が膨らみ、商品の鮮度も低下していく。この状態を脱するため、塩冷部のメンバーたちは、社内での試食会を実施する。他部署の人たちに商品の魅力を知ってもらい、販売の突破口を得ようという考えだった。結果として、味も品質も好評を得たことで、改めてこの価値を活かしてもらえる販売先の検討を重ねる中で、百貨店などで販売する豪華路線の惣菜を卸す企業と出会うこととなる。

CHAPTER 03戦略を見直すことで、
新たな市場開拓に繋がる

豪華路線の惣菜とはいえ、メニューの一品に採用してもらうには、一番のネックであった価格の見直しは必須であった。度重なる協議を繰り返し、まずは商品を採用してもらい、その上で良質な味わいである本来の魅力や、安定供給できる商品であることを訴求する。そして、継続的な取引に繋げ、長期的なスパンで利益を得られる戦略を生み出したことで、値下げを可能とした。この戦略が功を奏し、塩冷部としては新たな市場であった惣菜業界に参入。求めやすい価格を実現したことにより、アジの開きだけではなく「アジのフライ」など、加工費も掛けやすい商品という魅力も備わり、継続的な取引に展開していく。この成功を契機にアジの仕入先であったメーカーの認知度も広がり、販路を拡大するなど、双方にとって事業を拡大するプロジェクトとなった。

NEXT

新たな商品ラインナップを加え、
さらなる販路の拡大へ

アジを仕入れるメーカーと加工メーカーとの繋がりを活かし、今後は期間限定の特別なアジの開きを開発するなど、さらなる商品開発に挑戦。また、アジに限らず、他の地域にある特産品にも目を向けることで、惣菜業界のみならず、飲食店や小売業への販路拡大を模索し、より多くの顧客にアプローチしながら、安定供給を目指していく。